「Windows 11でパソコンの音だけを録音したいのに、できない…」と悩んでいませんか。
実は、内部音声の録音はWindowsの仕様上ちょっと分かりづらいだけで、設定を少し変えるだけで簡単にできるようになります。
この記事では、追加ソフトなしで録音する方法から、プロ並みの高音質を実現するツールまで、目的別に徹底解説します。
ステレオミキサー・Audacity・OBS・Xbox Game Bar・VoiceMeeterなど、代表的な5つの方法を比較しながら、あなたに最適な録音手段を紹介。
「音が入らない」「ノイズが出る」といったトラブルもすべて解決できる完全ガイドです。
今日からあなたも、Windows 11でクリアな内部音声録音をマスターしましょう。
Windows 11で内部音声を録音するには？基本の考え方
「Windows 11でパソコンの音だけを録音したい」と思っても、最初はやり方が分からず戸惑う方が多いです。
スマホでは簡単にできるのに、なぜPCでは少し複雑なのか？ここでは、その理由と録音の基本的な仕組みを分かりやすく解説します。
スマホでは簡単なのに、なぜPCでは難しいのか
スマートフォンでは、画面録画と同時に内部音声を録音する機能が標準で搭載されています。
一方、Windows 11のPCでは、同じことをするために少し手間がかかるのが現実です。
これは著作権保護（DRM）やセキュリティの観点から、内部音声の直接録音が制限されているためです。
その結果、メーカーやドライバーによっては「ステレオミキサー」という録音機能が隠れていたり、完全に削除されているケースもあります。
つまり、録音が難しいのはあなたのせいではなく、Windowsの仕様によるものなのです。
| 環境 | 録音方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| スマートフォン | 画面録画機能に統合 | ワンタップで内部音声を録音可能 |
| Windows 11 PC | ソフトや設定が必要 | 自由度が高いが初期設定が必要 |
「アナログ録音」と「デジタル録音」の違いを理解しよう
多くの人が最初に試して失敗するのが、スピーカーの音をマイクで拾う「アナログ録音」です。
この方法は簡単に見えますが、環境音やノイズが入りやすく、音質が大きく劣化します。
対して、今回目指すのは内部音声（デジタル信号）を直接録音する方法です。
デジタル録音では、スピーカーから音が出る前の段階で信号をコピーするため、ノイズゼロのクリアな音を保存できます。
まるで「スタジオで録ったような」高音質の音声を得られるのが、この録音方式の最大の魅力です。
| 録音方式 | 仕組み | 音質 |
|---|---|---|
| アナログ録音 | スピーカーの音をマイクで拾う | ノイズ多・音質低下 |
| デジタル録音 | PC内部の音声信号を直接保存 | ノイズゼロ・高音質 |
内部録音の仕組みを理解できたら、あとは実際に設定を行うだけです。
次の章では、Windows標準機能「ステレオミキサー」を使って録音する方法を詳しく見ていきましょう。
方法① ステレオミキサーを使って内部音声を録音する
Windows 11には、実は標準で「ステレオミキサー」という録音機能が隠されています。
これを有効化すれば、追加ソフトなしでPCの内部音声を録音することができます。
まずはこの方法から試してみましょう。
ステレオミキサーとは？仕組みと注意点
ステレオミキサーとは、パソコン内部で再生されている音を、録音デバイスとして扱う機能のことです。
たとえばYouTubeの音楽を再生していると、その音をマイクの代わりに録音アプリへ渡すことができます。
マイクでスピーカー音を拾うのではなく、デジタル信号を直接キャプチャするので、音質は非常にクリアです。
ただし、すべてのPCに搭載されているわけではなく、オーディオドライバー（特にRealtek製）によっては非表示または削除されている場合があります。
もし一覧に表示されない場合は、ドライバーを更新するか、後述のAudacityを使うのが確実です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 音質 | 高音質（デジタル録音） |
| 必要ソフト | 不要（Windows標準機能） |
| 対応機種 | 主にRealtekチップ搭載PC |
| 注意点 | 一部PCでは非搭載・非表示の場合あり |
Windows 11でステレオミキサーを有効化する手順
それでは、実際にステレオミキサーを有効化する手順を説明します。
以下の手順を順番に進めてみてください。
① 画面右下の「スピーカーアイコン」を右クリックし、「サウンドの設定」を選択します。
② 開いた設定画面を下までスクロールし、「詳細設定」→「サウンドの詳細設定」をクリックします。
③ 小さなウィンドウが開いたら「録音」タブを選択します。
④ 空欄部分を右クリックし、「無効なデバイスを表示」と「切断されているデバイスを表示」にチェックを入れます。
⑤ 薄く表示された「ステレオミキサー」が現れたら右クリックして「有効化」→「既定のデバイスとして設定」を選択します。
緑色のチェックマークが付けば準備完了です。
これでPC内部で再生されるすべての音を録音アプリに送ることが可能になります。
| 操作 | 目的 |
|---|---|
| 右クリックで「無効なデバイスを表示」 | 隠れたステレオミキサーを表示 |
| 有効化 | 録音可能な状態にする |
| 既定のデバイスに設定 | 録音アプリが自動で内部音声を拾うようにする |
録音できないときのチェックポイント
もしステレオミキサーが見当たらない場合や、録音しても無音になる場合は次の項目を確認してください。
- オーディオドライバー（Realtekなど）が最新か確認する。
- プライバシー設定で「マイクアクセスの許可」が有効になっているか確認する。
- 録音アプリの入力デバイスが「ステレオミキサー」になっているか確認する。
また、Windows 11標準の「サウンドレコーダー」アプリを使えば、設定確認が簡単です。
録音時に波形が動けば成功です。
録音ができたら、次はより高音質に録れる無料ソフト「Audacity」を試してみましょう。
ステレオミキサーが使えない環境でも、Audacityなら確実に内部音声を録音できます。
方法② Audacityで内部音声を録音する（WASAPIループバック）
ステレオミキサーが見つからなかった場合でも、諦める必要はありません。
無料ソフトのAudacity（オーダシティ）を使えば、PCの内部音声を驚くほど高音質で録音することができます。
この章では、Audacityの導入から「WASAPIループバック」設定までを、初心者でも迷わないよう丁寧に解説します。
Audacityの導入と初期設定
Audacityはオープンソースで20年以上の歴史を持つ信頼性の高い録音・編集ソフトです。
まずは公式サイト（audacityteam.org）から最新版をダウンロードしましょう。
インストール手順は「次へ」を押して進むだけでOKです。日本語にも完全対応しています。
初回起動時に複雑そうな画面が出て不安になりますが、録音のために設定する箇所はわずか3〜4か所です。
| 設定項目 | 推奨値 | 補足 |
|---|---|---|
| 音声ホスト | Windows WASAPI | 高音質録音のための重要設定 |
| 録音デバイス | スピーカー(Loopback) | 内部音声をキャプチャする設定 |
| 再生デバイス | スピーカーまたはヘッドホン | 通常の出力デバイスを指定 |
WASAPIを選ぶことで、Windowsの音声をデジタルのまま録音できるのがポイントです。
この設定をするだけで、どんなPCでも“ステレオミキサー不要”で内部音声を直接録れるようになります。
WASAPIループバックの使い方
設定が終わったら、いよいよ録音を開始しましょう。
Audacityでは、録音の前に「音が鳴っている」状態でボタンを押すのがコツです。
① YouTubeや会議アプリなど、録音したい音源を再生しておきます。
② Audacityの赤い録音ボタンをクリックします。
③ 波形が動き始めたら録音成功です。終了したら黄色い停止ボタンを押しましょう。
もし「エラー：入力を開けません」と表示された場合は、無音状態で録音を開始している可能性があります。
音源を再生しながら録音を開始することで解決します。
| トラブル | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 録音が始まらない | 音が鳴っていない | 再生中に録音開始する |
| 音が小さい | 録音レベル設定が低い | Audacity画面上のマイクアイコン横で音量を調整 |
| ノイズが入る | 他アプリの音が混在 | 不要なアプリを終了してから録音 |
録音後の編集テクニック（ノイズ除去・音量調整など）
Audacityの魅力は、録音後に音を整える機能が充実している点です。
ここでは初心者でもすぐに使える3つの編集テクニックを紹介します。
- 不要部分のカット：ドラッグで範囲を選択してDeleteキーを押すだけ。
- 音量を均一化：「エフェクト」＞「音量と圧縮」＞「正規化」を選択。
- ノイズ除去：「エフェクト」＞「ノイズ除去と修復」＞「ノイズの低減」で静音化。
編集が終わったら「ファイル」＞「書き出し」＞「MP3として書き出し」を選択すれば完成です。
音質劣化が少なく、誰でも扱いやすいフォーマットとしておすすめです。
AudacityのWASAPIループバックは、Windows 11で最も高音質かつ安定した録音方法です。
次の章では、画面と音を同時に録画できる強力なソフト「OBS Studio」を紹介します。
方法③ 画面と音を同時に録るならOBS Studioが最強
音声だけでなく、ゲーム画面や会議の映像も一緒に録りたい人におすすめなのがOBS Studio（オービーエス スタジオ）です。
無料で使える配信・録画ソフトとして世界中で愛用されており、Windows 11でも安定して動作します。
この章では、内部音声をきれいに録るための基本設定と、プロ級の録音方法「マルチトラック録音」を紹介します。
OBS Studioのインストールと初期設定
OBS Studioは公式サイト（obsproject.com）からダウンロードできます。
インストール後に初回起動すると、「自動構成ウィザード」が表示されますが、基本はそのまま「キャンセル」でOKです。
画面が真っ黒で少し戸惑いますが、実はここからがスタートラインです。
| 項目 | 設定内容 | 目的 |
|---|---|---|
| ソース | 録音・録画対象を追加 | 画面や音声の入力を指定する |
| ミキサー | 音声の音量を確認・調整 | 入力レベルの確認 |
| コントロール | 録画開始・停止 | 録音操作を実行 |
まずは内部音声をキャプチャできるよう設定していきましょう。
内部音声を拾う設定手順
OBSでPC内部の音を録音するためには、「音声出力キャプチャ」を追加する必要があります。
手順は次のとおりです。
① 画面下部の「ソース」欄で＋ボタンをクリックします。
② 表示されたメニューから「音声出力キャプチャ」を選びます。
③ 名前は「PC内部音声」など分かりやすく設定し、「OK」をクリックします。
④ 「デバイス」欄で「既定」または使用中のスピーカーを選び、「OK」を押します。
これでOBSの「音声ミキサー」に音声メーターが追加され、再生中の音に合わせて緑や黄色のバーが動くようになります。
バーが反応していれば内部音声が正しく取り込めている証拠です。
| バーの色 | 状態 |
|---|---|
| 緑 | 適正音量（録音に最適） |
| 黄色 | 少し大きめ（OK） |
| 赤 | 音割れ注意！ボリュームを下げる |
マルチトラック録音で後から音を調整する方法
OBSの最大の魅力は、音を「トラック別」に録音できる点です。
これは、ゲーム音・マイク音・BGMなどを別々に保存し、後から音量バランスを調整できるという画期的な機能です。
① 画面下の「ミキサー」で歯車アイコンをクリックし、「オーディオの詳細プロパティ」を開きます。
② 各音声デバイスの「トラック」欄で、録音したいトラック番号にチェックを入れます。
③ 「ファイル」＞「設定」＞「出力」＞「録画」タブを開き、「トラック1〜6」を有効化します。
④ 保存形式は「MKV」や「MP4」がおすすめです。
これにより、録音後に動画編集ソフト（Premiere Proなど）で、ゲーム音や自分の声を個別に編集できるようになります。
1回の録音で“音を分けて保存”できるのはOBSだけです。
音声の細かい調整を後で行いたい人には、この方法が最適です。
次の章では、ソフトをインストールせずに録音できる「Xbox Game Bar」を紹介します。
最短で録音したい人は、次章の方法④がぴったりです。
方法④ インストール不要！Xbox Game Barを使う
「新しいソフトを入れるのは面倒」「今すぐ録音したい」という方におすすめなのが、Windows 11標準搭載のXbox Game Bar（エックスボックス・ゲームバー）です。
本来はゲーム録画用のツールですが、実はどんなアプリでも内部音声を録音できます。
しかもショートカット操作で簡単に使えるのが魅力です。
Xbox Game Barで内部音声を録音する手順
Xbox Game Barはインストール不要で、すべてのWindows 11に標準で入っています。
以下の手順で録音を開始できます。
① 録音したいアプリ（ブラウザ、会議ソフトなど）を開きます。
② キーボードの「Windowsキー + G」を同時に押します。
③ 画面上に半透明の操作パネル（オーバーレイ）が表示されます。
④ 左上の「キャプチャ」ウィジェットで「録画を開始（丸ボタン）」をクリックします。
⑤ 録音を停止するには、同じウィジェットの「停止ボタン」を押すか、ショートカット「Windowsキー + Alt + R」を再度押します。
録音が完了すると、自動的にファイルが保存されます。
保存場所は「ビデオ」フォルダ内の「キャプチャ」フォルダです。
録音形式はMP4なので、音声だけが必要な場合は無料の変換ソフトやオンラインツールでMP3に変換しましょう。
| 操作 | ショートカット | 備考 |
|---|---|---|
| Game Barを開く | Windows + G | いつでも起動可能 |
| 録音開始/停止 | Windows + Alt + R | 映像と内部音声を同時に録音 |
| 録音ファイルの保存先 | ビデオ → キャプチャ | 自動で保存 |
録音操作に数秒もかからないシンプルさが最大の魅力です。
Zoom会議やオンライン講義など、録画ボタンを押す余裕がない状況でもサッと対応できます。
録音した動画から音声だけを取り出す方法
Xbox Game Barは映像と音声を同時に録画するため、音声だけ使いたい場合は抽出が必要です。
無料で安全に変換できる代表的な方法を2つ紹介します。
- VLCメディアプレイヤー：「メディア」＞「変換/保存」からMP3形式に書き出し。
- オンライン変換サイト：「MP4 to MP3 変換」で検索し、ファイルをアップロードして変換。
この方法を使えば、録音した会議音声や動画のBGMだけを抽出することも可能です。
ただし、他人の配信や有料コンテンツの録音は私的利用の範囲にとどめるよう注意が必要です。
次の章では、さらに自由な音声ルーティングを実現できる「VoiceMeeter Banana」を紹介します。
音の流れを自分でコントロールしたい人は必見です。
方法⑤ 上級者向け！VoiceMeeter Bananaで音を自在にコントロール
最後に紹介するのは、音の流れ（ルーティング）を完全にコントロールできるVoiceMeeter Banana（ボイスミーター・バナナ）です。
やや上級者向けですが、一度理解すれば「どの音をどこに送るか」を自由自在に操れるようになります。
まるでスタジオのミキシングコンソールをパソコンの中に持つような感覚です。
VoiceMeeter Bananaとは？
VoiceMeeter Bananaは、仮想のオーディオミキサーです。
複数のアプリ音声をまとめたり、特定の音だけを録音アプリに送るといった柔軟な設定が可能になります。
例えば、Zoomの相手には自分の声とBGMを流しつつ、録音にはゲーム音だけを記録することもできます。
1台のPCで音の経路を自在に組み替えられるのが最大の強みです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | 仮想オーディオミキサー |
| 費用 | ドネーションウェア（基本無料） |
| 得意分野 | 複数音声のミックス・分離・制御 |
| 難易度 | 中〜高（慣れが必要） |
導入と設定の流れ
導入は少し複雑ですが、順番通りに進めれば大丈夫です。
① 公式サイト（vb-audio.com）からインストーラーをダウンロード。
② インストール後、PCを再起動します。
③ Windowsの「サウンド設定」で、既定の出力デバイスをVoiceMeeter Inputに変更します。
④ VoiceMeeterを起動し、右上の「A1」出力先を自分のスピーカーに設定します。
これで、PC内の音は一旦VoiceMeeterを経由してスピーカーに出るようになります。
録音アプリで「VoiceMeeter Output」を入力デバイスに選べば、内部音声を録音できる仕組みです。
| 設定項目 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 既定の再生デバイス | VoiceMeeter Input | すべての音を仮想ミキサーに通す |
| A1出力 | スピーカーやヘッドホン | 実際に音を聴くデバイス |
| 録音デバイス | VoiceMeeter Output | 録音ソフトに送る音の出口 |
設定を間違えると「音が出ない」と焦ることがありますが、A1出力を正しく設定すればすぐに解決します。
使いこなしテクニックと注意点
VoiceMeeter Bananaを使いこなせば、配信や録音のクオリティが一気に上がります。
- Discordの相手にはBGMを流さず、自分の録音にはBGMを入れる。
- OBSでゲーム音とマイク音を完全に分離して録る。
- エコーやリバーブ効果を加えて声を演出する。
このように、通常のWindows設定では不可能な「音の仕分け」ができるのが最大の魅力です。
ただし、音の経路が複雑になるため、最初はシンプルな構成から始めるのがおすすめです。
VoiceMeeterを使いこなせれば、あなたのPCはプロ仕様の録音スタジオになります。
次の章では、録音できないときの原因とその解決策をまとめたトラブルシューティングを紹介します。
録音できないときのトラブル解決チェックリスト
「手順通りにやったのに録音できない」「音が小さい」「ノイズが入る」──そんな時は焦らずに確認しましょう。
ここでは、Windows 11でよくある録音トラブルとその解決策を一覧で紹介します。
一つずつ試せば、ほとんどの問題は必ず解決します。
よくあるエラーと原因
録音がうまくいかないとき、まずは原因を切り分けるのがポイントです。
下の表は、代表的なトラブルと解決策をまとめたものです。
| 症状 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| ステレオミキサーが見当たらない | ドライバーが無効化または非搭載 | 「無効なデバイスの表示」を有効にし、Realtek公式ドライバーを更新 |
| 録音が無音になる | 録音デバイスの選択ミス | 録音アプリで「ステレオミキサー」または「(Loopback)」を選択 |
| 音が割れる・歪む | 録音レベルが高すぎる | デバイスプロパティでレベルを80程度に下げる |
| ブーンというノイズが入る | 電源ノイズ・ハムノイズ | ノートPCならACアダプタを抜き、バッテリー駆動に切り替える |
| 録音時にエラーが出る | 排他モードがON | 「サウンド設定」→「詳細」→「排他モードのチェック」を外す |
音が出ない・録れないときは「ドライバー」「デバイス選択」「排他モード」の3点を優先的に確認しましょう。
プライバシー設定の見直し方
意外な盲点が、Windowsのプライバシー設定です。
Windows 11では「マイクアクセス」をオフにしていると、ステレオミキサーや録音機能も一緒にブロックされてしまいます。
① 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「マイク」を開きます。
② 「マイクへのアクセスを許可する」をオンにします。
③ 下にスクロールして、使用するアプリ（サウンドレコーダーやAudacityなど）をオンにします。
④ 「デスクトップアプリにマイクへのアクセスを許可する」も必ずオンにしておきましょう。
この設定を変えただけで録音できるようになるケースも多くあります。
「ステレオミキサーが反応しない…」と思ったら、真っ先にこの設定を確認しましょう。
| 設定項目 | 推奨状態 | 影響 |
|---|---|---|
| マイクアクセスの許可 | オン | 録音全般が有効になる |
| アプリ別アクセス設定 | オン | 各アプリで録音可否を制御 |
| デスクトップアプリアクセス | オン | Audacity・OBSなどの動作を許可 |
サウンドドライバーを更新する手順
ドライバーが古いと、ステレオミキサーが表示されなかったり、録音が不安定になることがあります。
以下の手順で最新ドライバーを導入しましょう。
① 「デバイスマネージャー」を開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を展開します。
② 使用中のオーディオデバイス（例：Realtek Audio）を右クリックして「ドライバーの更新」を選びます。
③ 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」をクリックします。
④ 更新後は再起動を行い、ステレオミキサーが有効化されているか確認します。
もし自動更新で改善しない場合は、メーカー公式サイト（Dell、HP、ASUSなど）から手動でドライバーをダウンロードするのも有効です。
録音トラブルの8割はドライバーか設定ミスで解決します。
次の章では、あなたの目的に合わせて最適な録音方法を選べる比較表を紹介します。
目的別おすすめ録音方法【比較表付き】
ここまで5つの録音方法を紹介してきましたが、「結局どれを選べばいいの？」と迷う方も多いでしょう。
この章では、あなたの目的・環境・スキルに合わせて最適な録音方法を選べるように整理します。
比較表で一目で分かるようにまとめました。
手軽さ・音質・用途で選ぶベストな録音方法
以下の表は、主要な5つの方法を「手軽さ」「音質」「おすすめ用途」で比較したものです。
| 方法 | 手軽さ | 音質 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| ステレオミキサー | ★★★★☆ | 中 | 会議やラジオなど簡単な録音に |
| Audacity（WASAPI） | ★★★☆☆ | 最高 | 音質重視の音声録音や編集に |
| OBS Studio | ★★☆☆☆ | 高 | ゲーム実況・映像付き配信に |
| Xbox Game Bar | ★★★★★ | 中〜高 | インストール不要・すぐ録音したい時に |
| VoiceMeeter Banana | ★☆☆☆☆ | 最高 | 複数音声の制御・上級者向け構築に |
最もバランスが良いのは「Audacity」です。
高音質・無料・操作性の3拍子がそろい、初心者でも使いやすく、上級者にも応用が効きます。
あなたにぴったりの録音スタイル診断
次の質問に当てはまる項目をチェックするだけで、自分に最適な録音方法が分かります。
| あなたのタイプ | おすすめ録音方法 | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく手軽に録りたい | Xbox Game Bar | ショートカット操作だけで即録音できる |
| 音質に妥協したくない | Audacity（WASAPI） | 劣化ゼロでプロ品質の録音が可能 |
| ゲーム実況・配信をしたい | OBS Studio | 映像＋音声を同時に記録できる |
| PC内部の音を自由に制御したい | VoiceMeeter Banana | 複数の音源を個別にミックス・分離可能 |
| 追加ソフトを入れたくない | ステレオミキサー | Windows標準機能だけで録音可能 |
この診断で選んだ方法をベースに、必要に応じて他のツールを組み合わせるのもおすすめです。
たとえば「Audacityで録音して、OBSで画面を録る」という使い方をすれば、映像と音声を別々に編集できます。
一度設定を作り込めば、次からはワンクリックで録音開始できるのも大きな魅力です。
次の章では、録音の法律・マナーを押さえて、安全に使うためのポイントをお伝えします。
録音の法律・マナーと安全な使い方
内部音声の録音ができるようになると、「配信の音楽を録って保存したい」「会議を録音して共有したい」と思う場面が増えます。
しかし、ここで注意したいのが著作権法とプライバシーのルールです。
この章では、録音を安全かつ正しく行うための基本的なマナーと法的ポイントを解説します。
私的利用の範囲とは？
日本の著作権法では、「個人や家庭内で楽しむ目的」であれば、音声や映像を録音・録画しても問題ありません。
つまり、自分用の勉強・復習・趣味の範囲であればOKです。
ただし、録音したデータを第三者に渡したり、SNSに投稿したりすると著作権侵害にあたる可能性があります。
| 行為 | 私的利用としてOK？ | 備考 |
|---|---|---|
| 自分の会議を録音する | ○ | 議事録作成目的なら合法 |
| YouTubeの音楽を保存する | △ | 個人視聴のみOK、再配布はNG |
| 有料配信を録音して配布 | × | 明確な違法行為 |
| 友人に録音ファイルを渡す | × | 非公開でも著作権違反の可能性あり |
技術的にできるからといって、すべてが合法とは限りません。
録音は「自分のためだけに使う」が鉄則です。
録音前に確認すべき注意点
ビジネスや学校のオンライン会議を録音する場合は、もう一つ大事なルールがあります。
それは「相手の同意を取る」ことです。
録音を無断で行うと、信頼関係を損ねたり、会社の規定に違反することもあります。
会議の冒頭で「議事録のために録音させていただきます」と一言伝えるだけで、トラブルを防げます。
- オンライン授業・打ち合わせは、事前に相手の同意を得る。
- 業務データを扱う場合は、社内規定を確認しておく。
- 個人情報が含まれる音声データは外部に保存しない。
また、SNSやYouTubeへの投稿は慎重に行いましょう。
自分の声だけを使った解説動画などは問題ありませんが、他者の音声やBGMを含む場合は著作権表示が必要なケースがあります。
ルールを守って録音すれば、安心してデジタルライフを楽しめます。
まとめ：Windows 11で理想の内部録音を実現しよう
ここまで、Windows 11でPC内部の音声を録音する方法をステップごとに紹介してきました。
どんな環境でも高音質に録れるよう、あなたに合った最適な方法が見つかったのではないでしょうか。
最後に、これまでの内容をおさらいしながら、録音を成功させるための最終チェックリストをまとめます。
この記事で紹介した方法の総まとめ
あなたの目的や環境に応じて、以下のどの方法を選ぶかを整理しておきましょう。
| 方法 | 特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| ステレオミキサー | Windows標準機能で録音可 | インストール不要・手軽 |
| Audacity（WASAPI） | 最も高音質・無料ソフト | 音質重視のベストチョイス |
| OBS Studio | 映像と音を同時に録画可 | 配信・実況にも最適 |
| Xbox Game Bar | 標準搭載・ショートカット録音 | 緊急時や短時間の録音に |
| VoiceMeeter Banana | 仮想ミキサーで音を制御 | 上級者の音環境構築に最適 |
この中でも特におすすめなのは、AudacityのWASAPIループバック録音です。
ステレオミキサーがなくても動作し、音質も抜群。録音から編集まで一括で完結できます。
今日から実践できる録音改善チェックリスト
録音前にこのリストを確認しておけば、失敗を防げます。
- サウンド設定で「ステレオミキサー」または「(Loopback)」を選択。
- マイクアクセスを有効化しておく。
- 音量メーターが緑〜黄色で動いているか確認。
- 録音レベルを80前後に調整。
- 不要なアプリを閉じてノイズを減らす。
- 録音後はAudacityで音量を正規化し、MP3で保存。
「録音がうまくいかない」と感じたら、焦らず設定を一つずつ確認しましょう。
少しの調整で音質が劇的に向上することもあります。
PC内部音声の録音をマスターすれば、オンライン会議の議事録作成、音声学習、配信、動画制作など、さまざまな場面で役立ちます。
「クリアな音を自在に扱えるスキル」は、これからの時代に大きな武器になります。
今日からあなたも、PC録音のプロフェッショナルとして新しい音の世界を楽しんでください。
