夏の訪れとともに、台風シーズンがいよいよ本格化しています。
この時期になると、各地で発生する台風の進路や規模が、さまざまな交通機関に影響を及ぼすことがあります。
とりわけ空の便は、気象の変化に敏感なため、旅行や出張を予定している方にとって、台風の動きは気が抜けない情報源のひとつです。
2025年に発生した台風2号「セーパット」は、まさにそうした注目の的となっており、今後の進路や勢力によっては航空便への影響も避けられない可能性があります。
この記事では、「セーパット」に関する最新の気象データを踏まえながら、JALやANAといった主要航空会社の対応方針、羽田・関西国際空港など国内の主な空港の対応状況、さらに台風接近時に利用者がとるべき行動について詳しく解説します。
万が一の欠航や遅延にも落ち着いて対応できるよう、事前の備えや情報収集のヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。安全な空の旅を確保するための一助となれば幸いです。
台風2号「セーパット」による航空便への影響は?
JAL・ANAの対応や羽田・関空の運航状況を解説
台風接近時の航空機運航はどう判断される?
台風が日本に近づくと、気になるのが飛行機の運航状況です。
旅行やビジネスで移動を控えている人にとって、欠航や遅延があるかどうかは非常に大きな問題となります。
とはいえ、「風速〇mで運航停止」といった明確な基準は存在せず、航空会社は各空港の天候や風の状態、滑走路の状況などを総合的に見て、運航の可否を決定しています。
中でも飛行機が苦手とするのは「横風」です。
横からの強風に対しては機体の構造上の制約があるため、風速15〜20メートル以上の横風が吹くと、安全を最優先に運航見合わせとなる場合が増えてきます。
一方で、向かい風は比較的安定していれば影響が少ないとされています。
また、欠航の発表タイミングも一律ではなく、出発の直前に判断されることも少なくありません。
中には出発の30分〜1時間前に欠航が決まるケースもあるため、油断は禁物です。
JALやANAといった大手キャリアでは、天候によるリスクが予想される場合、できるだけ早めに判断し、利用者への案内を行うよう努めています。
欠航情報はどこで確認できる?
台風が近づいた際には、航空会社や空港の公式サイトで最新情報をチェックすることが重要です。
JAL・ANAをはじめとする航空会社のウェブサイトでは、通常、出発前日の午後以降に運航状況が更新され、随時最新の情報が提供されます。
筆者自身、台風接近時にフライト予定があった際は、何度もウェブサイトを確認しながら、変更に備えていた経験があります。事前の情報収集が、冷静な判断と迅速な対応につながります。
台風による欠航の発生率はどれくらい?
台風と聞くと、多くの便がキャンセルされる印象を持つかもしれませんが、実際にはJALやANAなど大手航空会社の欠航率は平均で1〜2%程度とされています。
つまり、100便のうち1〜2便が欠航する程度にとどまっているのです。
ただし、非常に強い台風が直撃した際には状況が一変します。たとえば、2019年の台風19号の際には、JALとANAをあわせて2,000便以上が運航を中止。
2021年の台風14号では、沖縄方面の便が軒並み欠航になるなど、大きな影響が出たケースもあります。
国際線と国内線では判断基準が違う?
国際線と国内線では、運航判断にもやや違いが見られます。
国際線は便数が限られているため、なるべく運航を継続しようと調整が行われることが多く、横風が極端でなければフライトを維持する傾向があります。
また、国際線では24時間以上遅延してでも飛ばすケースもあり、気象条件が回復次第で運航を再開できるよう柔軟に対応する方針がとられています。
台風接近時には、「振替便の手配」や「キャンセル料の免除」など、航空会社ごとに特別な対応が行われることもありますので、常に最新の公式情報に目を通し、柔軟な対応を心がけることが大切です。
台風が迫る中での移動は不安がつきものですが、正しい情報を早めに把握し、落ち着いた行動をとることで、混乱を最小限に抑えることができます。
JAL・ANAの公式サイトや空港の運航情報をこまめに確認し、いざというときに備えておきましょう。
台風2号「セーパット」による欠航時の払い戻しと対応のポイント
台風などの悪天候によって、予定していた飛行機が運航中止となると、払い戻しの手続きや対応について不安になる方も多いことでしょう。
ですが、自然災害が原因での欠航に関しては、多くの航空会社が追加料金を課さずに返金対応を行っています。
ツアー旅行の場合は全額返金が基本
旅行会社を通じて申し込んだパッケージツアーが、台風の影響で催行中止になった場合、旅行代金は原則として全額返金されます。
これは多くの旅行代理店で共通した対応であり、安心できる点のひとつです。
個人で航空券を購入した場合の対応
個別に航空券を手配していた方も、台風のような天候による欠航であれば、通常はチケット代の全額返金が受けられます。
ただし、LCC(ローコストキャリア)の場合は返金ルールが異なることがあり、一部しか戻らないケースもあるため、事前に利用条件を確認しておくのが安心です。
払い戻しの申請方法と期限に注意
返金の申し込みは、空港のカウンターだけでなく、航空会社の公式ウェブサイトや電話窓口、旅行代理店でも可能です。
混雑を避けるためにも、時間に余裕がある場合は後日落ち着いて手続きするのも一つの選択肢です。
対応期限は航空会社によって異なります。たとえば、JALでは出発予定日から40日以内、ANAは30日以内を目安に払い戻し申請が可能です。
特にWeb経由の申請は10日以内に行うことが推奨されており、期限を過ぎると返金が受けられない恐れがあるため、注意が必要です。
宿泊費や交通費は自己負担になる場合も
気をつけたいのは、台風や暴風雨といった自然現象による欠航は、「不可抗力」とみなされる点です。
そのため、欠航によって発生した宿泊費や現地での交通費などは、基本的に利用者自身が負担することになります。
こうした出費は想定外に大きくなることもあるため、出発前にリスクを把握しておくことが大切です。
航空会社側に原因がある場合は補償されることも
一方で、機材の不具合や乗務員の手配ミスなど、航空会社の都合で欠航が発生した場合には、代替交通や宿泊費が補償されるケースもあります。
状況によって対応が異なるため、案内をよく確認しましょう。
LCCと大手航空会社で異なる対応方針
LCCでは、自然災害による欠航については宿泊費などの補償は基本的に行われません。
ただし、まれに個別対応で柔軟に対応してくれる場合もあります。
これに対し、JALやANAといった大手航空会社では、台風の接近が予測される段階で、特定の日程においてキャンセル料を無料とする「特別対応」を発表することがあります。
このような配慮は、早めに予定を変更したい人にとって非常に助かる制度です。
予約前に対応方針をチェックしておこう
台風などの影響は誰にも予測できないものですが、各航空会社の対応ルールやサポート体制を事前に確認しておくことで、トラブル時にも落ち着いて行動できます。
予約の際には、運賃だけでなく、天候トラブル時の対応力も選択のポイントに加えることをおすすめします。冷静な判断と準備が、予期せぬトラブルから身を守る最良の手段です。