デジポリスで国際電話詐欺をシャットアウト｜警視庁が開発した最新防犯機能とは

「＋81」「＋63」など、海外からの不審な電話が増えています。

それらの多くは、巧妙に仕組まれた国際電話詐欺の可能性があります。

そんな中、警視庁が提供する防犯アプリ「デジポリス」に、2025年12月から新たに「国際電話ブロック機能」が追加されることが発表されました。

この機能を使えば、登録のない海外番号からの着信を自動で静音化し、詐欺の入り口を未然にシャットアウトできます。

この記事では、ブロック機能の仕組み、設定方法、iPhoneとAndroidの違い、そして安全に使うためのコツをわかりやすく解説します。

「スマホで守る防犯習慣」を始めたい人は、ぜひ最後までチェックしてください。

国際電話詐欺とは？その仕組みと被害の実態

ここでは、急増する国際電話詐欺の実態と、その背後にある仕組みを詳しく解説します。

「＋」から始まる番号を見て不安になった経験がある人も多いのではないでしょうか。

実はそれ、海外から発信された詐欺電話の可能性が高いのです。

なぜ「＋」から始まる番号が危険なのか

「＋」で始まる電話番号は、海外から発信された国際電話を意味します。

しかし最近では、詐欺グループがこの形式を悪用し、国内の番号に偽装して電話をかけるケースが増えています。

たとえば「＋81」は日本への国際電話を示す番号ですが、実際には海外経由の発信であることが多いのです。

番号の例	発信元
＋81	日本（国内番号に見せかけやすい）
＋82	韓国
＋63	フィリピン

番号の先頭に「＋」があるときは、まず詐欺を疑う意識が重要です。

国際電話を悪用した詐欺の最新手口

国際電話詐欺の多くは、「ワン切り」や「自動音声による誘導」を使って被害者を惑わせます。

相手が名乗る企業名や機関名も実在するものを装い、信頼を演出するのが特徴です。

一見普通の電話のようでも、背後には巧妙な通信システムが組まれています。

手口	内容
番号偽装	国際電話を国内番号に見せかける
音声誘導	自動音声で金銭や個人情報を要求
海外拠点	摘発を逃れるため海外に拠点を設置

一度電話に出ると、個人情報を引き出される危険性があるため、出ない判断が最も安全です。

増え続ける被害の背景と警察の警鐘

警察庁によると、2025年上半期の特殊詐欺被害額は約597億円に達しました。

前年同期の約2.6倍という過去最悪のペースで、被害の7割以上が国際電話を装ったものでした。

期間	被害額	国際電話を利用した件数
2024年1〜6月	約230億円	約1.7万件
2025年1〜6月	約597億円	約4.7万件

この数字からも、国際電話を悪用した詐欺が社会問題化していることがわかります。

だからこそ、警視庁はテクノロジーを使った防犯策を急ぐ必要があったのです。

警視庁アプリ「デジポリス」とは？

続いて、国際電話詐欺の対策として注目を集める警視庁公式アプリ「デジポリス」について見ていきましょう。

このアプリは、警視庁が開発した無料の防犯支援ツールで、スマホ1つで地域の犯罪情報や防犯対策を確認できます。

公式アプリの概要と目的

デジポリスは、犯罪被害の防止と市民への防犯情報提供を目的に開発されたアプリです。

特に「防犯情報の通知」や「地域マップ」機能により、身近な安全を守る仕組みを整えています。

機能	内容
防犯ニュース配信	地域の犯罪発生情報をリアルタイムで通知
防犯マップ	危険エリアや発生地点を地図上で確認可能
緊急通報	110番へ即時アクセスできるショートカット

防犯を「自分で守る」時代に合わせた、次世代型の安全ツールです。

従来機能と新機能の違い

従来のデジポリスは主に防犯情報の共有が中心でしたが、2025年12月に「国際電話ブロック機能」が追加されます。

これにより、詐欺電話を自動で検知し、着信時に音も振動も鳴らさずに静音化できるようになります。

従来機能	新機能（2025年12月追加予定）
防犯ニュース・地図機能	国際電話の自動ブロック
緊急通報ショートカット	着信履歴の非通知設定

この進化によって、詐欺被害の「入り口」を技術的に遮断できるようになったのです。

利用者の声と信頼性

デジポリスはすでに数十万人のユーザーが利用しており、東京都内だけでなく全国の自治体が導入を検討しています。

「親に勧めたら詐欺電話が減った」「防犯情報がすぐ分かる」といった声も多く寄せられています。

公共機関が公式に提供している点で、信頼性は非常に高いといえるでしょう。

スマホを持つすべての人が、今すぐ入れるべき防犯アプリです。

デジポリスに追加された「国際電話ブロック機能」の特徴

ここでは、2025年12月にデジポリスへ実装される新機能「国際電話ブロック機能」について詳しく解説します。

どのように詐欺電話を遮断するのか、そしてスマホの種類によって挙動がどう異なるのかを整理していきましょう。

どのように詐欺電話をブロックするのか

新機能は、スマートフォンの電話帳データをもとに、登録されていない海外番号からの着信を自動的に静音化します。

つまり、知らない国際番号から電話がかかってきても音も振動も鳴らない仕組みです。

この仕組みで、詐欺グループが使う「ワン切り」や「自動音声誘導」などの初動をシャットアウトできます。

条件	動作内容
電話帳に登録あり	通常通り着信
登録なし（国際電話）	音・振動なしでブロック
登録なし（国内電話）	OS設定により挙動が異なる

知らない海外番号からの着信は「鳴らないうちに防ぐ」時代へ。

iPhoneとAndroidの違いを比較

デジポリスのブロック機能は、iPhoneとAndroidで動作仕様が異なります。

Androidでは履歴表示や通知の有無を設定で選べますが、iPhoneでは常に履歴が残る仕様です。

また、iPhoneでは国内の未登録番号もブロック対象となる点に注意が必要です。

項目	Android	iPhone
国際電話のブロック	設定でON/OFF可能	常に有効
着信履歴表示	選択可	常に表示
国内番号のブロック	対象外	対象になる

利便性よりも「安全性」を優先した設計がiPhone版の特徴です。

スマホのタイプに合わせて設定を見直すことが、詐欺対策の第一歩です。

設定方法と注意すべきポイント

ブロック機能の設定は数分で完了します。

ただし、海外に知人や取引先がいる場合は、事前に電話帳に登録しておかないと連絡を逃す可能性があります。

手順	内容
①	アプリを開き、設定メニューを選択
②	「国際電話ブロック機能」をONにする
③	OSの権限要求を承認
④	設定完了（再起動不要）

重要な連絡先は必ず事前登録しておくことが、安全に使うコツです。

手軽に設定できるのに、詐欺のリスクを大幅に下げられるのがこの機能の最大の強みです。

国際電話ブロック機能の効果と限界

続いて、このブロック機能がどの程度の防犯効果を発揮するのか、そして注意すべき限界について見ていきましょう。

「万能」ではないからこそ、正しく理解して使うことが大切です。

警視庁の検証結果に見る防止効果

警視庁の試験運用によると、ブロック機能を有効化したユーザーでは、特殊詐欺の被害率が大幅に減少しました。

特に「ワン切り」「還付金詐欺」「投資詐欺」など、初期段階で遮断できたケースが多かったと報告されています。

詐欺の種類	ブロックによる防止効果
ワン切り詐欺	ほぼ100％防止
還付金詐欺	初期通話の多くを遮断
投資詐欺	勧誘段階で連絡防止

「出る前に防ぐ」——これがデジポリスの防犯哲学です。

iPhoneで生じる不便とその対策

iPhoneユーザーは、国内番号でも登録がない場合ブロックされてしまう点に注意が必要です。

たとえば病院や役所など、一時的な連絡先からの電話が鳴らないことがあります。

これを防ぐには、信頼できる機関をあらかじめ電話帳に登録しておくことが有効です。

不便の例	回避策
病院からの電話が鳴らない	事前登録しておく
宅配業者の番号が分からない	SMS通知で確認
自治体からの緊急連絡	登録先を定期的に確認

利便性を犠牲にしても、被害を防ぐ価値がある設計であることを理解しましょう。

過信せずに使うためのリスク管理

ブロック機能が強力だからといって、それだけで安心するのは危険です。

詐欺は電話以外にも、SMSやメールなどさまざまな手口で仕掛けられます。

アプリのアップデートをこまめに行い、最新の防犯情報を確認することが重要です。

リスク	対策
SMS詐欺	URLを開かず、公式アプリで確認
メール詐欺	送信元アドレスを必ずチェック
設定ミス	年に数回、設定を見直す

テクノロジーと意識の両輪で詐欺を防ぐことが、これからの防犯の基本です。

詐欺を防ぐためにできる日常の対策

デジポリスの国際電話ブロック機能は非常に有効ですが、日常の行動や意識の持ち方も同じくらい大切です。

ここでは、家族間の連携や行政との協力など、今日からすぐに実践できる防犯習慣を紹介します。

家族間での情報共有が最強の防犯になる理由

特殊詐欺の多くは、高齢者を狙った「孤立したターゲット攻撃」です。

実際の被害者の多くは「家族に相談せずに対応してしまった」と話しています。

だからこそ、家族間で「怪しい電話があったら共有する」というルールを決めておくことが重要です。

取り組み	効果
家族LINEグループで報告	情報をリアルタイムで共有できる
固定電話にも注意喚起	高齢者世帯の防犯意識を高める
近所や自治会で声かけ	地域全体での防犯効果が高まる

「家族のネットワーク」が、実は最も強力な防犯ツールなのです。

銀行・行政との連携による安全強化

金融機関や行政機関も、詐欺防止のための仕組みを整えています。

たとえば銀行では、高額な引き出しを行う高齢者に対して「声かけ確認」を実施する取り組みがあります。

また、自治体では「デジポリス講習会」を開き、アプリの設定方法や使い方を説明するケースも増えています。

機関	主な取り組み内容
銀行	不審取引の監視と声かけ
自治体	高齢者向けの防犯セミナー
警察	地域安全メールの配信

公的機関と連携することで、より実効性の高い防犯体制を築くことができます。

「自分だけで守る」ではなく、「地域で守る」意識が重要です。

日常で実践できる防犯習慣

スマホの設定だけでなく、日常生活での小さな習慣が詐欺を防ぐ大きな力になります。

以下のような行動を意識するだけで、被害リスクを大幅に減らすことができます。

状況	取るべき行動
知らない番号からの着信	出ない・番号を検索して確認
お金や還付金の話が出た	電話を切って家族や警察に相談
SMSやメールでURLが届いた	リンクを開かず、公式サイトを確認
不安を感じた	#9110（警察相談専用ダイヤル）へ連絡

「自分だけは大丈夫」と思わず、常に疑う姿勢を持つことが最大の防御です。

まとめ｜デジポリスで「電話の詐欺」を未然に防ごう

ここまで、国際電話詐欺の実態と、警視庁のデジポリスアプリによる防犯策について詳しく解説してきました。

最後に、この記事のポイントを整理して振り返りましょう。

この記事の要点をおさらい

ポイント	内容
導入の背景	国際電話を悪用した特殊詐欺が急増
新機能の意義	知らない海外番号を自動でブロック
対応機種	iPhone・Androidの両方に対応
利用開始時期	2025年12月（予定）

「電話に出ないうちに防ぐ」という新しい防犯の形が、ついに現実になりました。

今すぐ始められる安全対策ステップ

デジポリスをインストールして設定を完了させるだけで、詐欺リスクを大幅に減らすことができます。

そして家族と情報を共有し、定期的にアプリをアップデートすることが、より安全なスマホ環境を作ります。

アクション	目的
デジポリスをインストール	国際電話詐欺をブロック
家族と情報共有	高齢者の被害を防止
定期的にアップデート	最新の防犯情報を反映

「便利さ」と「安全」は両立できます。

今日から始める小さな一歩が、あなたと家族の未来を守ります。