Windows 11の「ペイント」が、今や“お絵かきソフト”の域を超えていることをご存じですか。
最新アップデートで、待望のレイヤー機能、ワンクリックで背景を消せる背景削除、そしてAIが画像を自動生成するCocreatorまで搭載されました。
無料とは思えないほどの進化を遂げたこの新ペイントは、初心者でも簡単に使いこなせるのが魅力です。
この記事では、それぞれの機能の使い方や活用術を、実際の操作手順を交えて詳しく解説します。
アップデート後の「ペイント」で、あなたの画像編集がどこまで変わるのか、ぜひ一緒に確かめてみましょう。
Windows 11「ペイント」がついに進化！何が変わったの？
Windows 11に標準搭載されている「ペイント」が、ここ最近のアップデートで驚くほど進化したことをご存じでしょうか。
これまでの「シンプルなお絵かきアプリ」という印象から一転、画像編集やAI生成までこなす、本格的なツールへと変貌を遂げています。
まずは、この進化の全体像を分かりやすく見ていきましょう。
昔のペイントとの違いをざっくり比較
従来のペイントは、線を引いたり図形を描いたりといった「簡単な描画ツール」として知られていました。
しかしWindows 11版では、プロ仕様の画像編集に必要なレイヤー・AI・背景削除機能まで搭載されています。
下の表で、旧バージョンとの違いを整理してみましょう。
| 機能項目 | 従来のペイント | Windows 11 新ペイント |
|---|---|---|
| レイヤー管理 | なし（全て同じキャンバス） | あり（各要素を個別に編集可能） |
| 背景削除 | 手動で選択・消しゴム作業 | AIがワンクリックで自動透過 |
| AI画像生成 | 非対応 | 「Cocreator」で文章から画像を作成 |
| UI（デザイン） | クラシックで固定表示 | モダンUI＋ダークモード対応 |
こうして比べると、同じ「ペイント」という名前でも、まるで別物ですよね。
今ではPhotoshopやCanvaの“入門版”としても十分使えるレベルにまで進化しています。
どんな人に嬉しいアップデートなのか
今回のアップデートは、画像編集ソフトに慣れていない人ほど恩恵が大きいです。
難しい操作を覚えなくても、AIが自動で補助してくれるので、初心者でも直感的に使えます。
特におすすめなのは次のような方です。
- ブログや資料に挿入する画像を簡単に加工したい人
- 無料でレイヤー編集や切り抜きを試したい人
- AI画像生成に興味があるけれど、難しそうだと思っている人
つまり、「画像編集初心者が迷わず使える万能ツール」へと進化したのが、今のWindows 11ペイントなんです。
ペイントの起動方法と最新版への更新手順
せっかく新しくなったペイントを使おうと思っても、「あれ？どこにあるの？」と迷ってしまう方は多いです。
この章では、Windows 11でのペイントの起動方法と、新機能を利用するための最新版アップデート手順を分かりやすく解説します。
「ペイントはどこ？」場所と起動方法
Windows 11のペイントは、スタートメニューから簡単に起動できます。
以下の手順で操作してみましょう。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 画面左下の「スタートボタン」をクリックします。 |
| ② | 「すべてのアプリ」を選び、「は」行の中から「ペイント」を探します。 |
| ③ | 見つけたらクリックで起動できます。 |
また、スタートメニュー上部の検索ボックスに「ペイント」または「paint」と入力して検索する方法も便利です。
覚えておくと速いのが「ファイル名を指定して実行」からの起動です。
Windowsキー＋Rキーを同時に押し、「mspaint」と入力してEnterキーを押すと、すぐにペイントが立ち上がります。
新機能が出てこないときの対処法（Microsoft Store更新）
もし「レイヤー」や「背景削除」などのアイコンが表示されない場合は、ペイントアプリが古いバージョンのままかもしれません。
実は、ペイントはWindows Updateではなく、Microsoft Store経由で更新される仕組みなんです。
| 操作手順 | 説明 |
|---|---|
| ① | スタートメニューから「Microsoft Store」を開く。 |
| ② | 左下の「ライブラリ」をクリック。 |
| ③ | 右上の「更新を取得」ボタンをクリック。 |
| ④ | 一覧の中から「ペイント」を見つけて更新を実行。 |
更新が完了すれば、AI機能やレイヤー編集などの新機能が自動的に追加されます。
Microsoft Storeのアップデート確認が、新機能解放のカギになります。
【新機能①】レイヤー機能の使い方と活用テクニック
今回のアップデートで最も注目を集めているのが、この「レイヤー機能」です。
これまでのペイントでは、すべての要素が1枚のキャンバスに固定されていましたが、今では写真・図形・文字などを別々のレイヤーとして管理できます。
ここでは、レイヤーの基本操作から、便利な活用方法までを順番に見ていきましょう。
レイヤーとは？初心者にもわかる仕組み解説
レイヤーは、透明なシートを何枚も重ねて1枚の絵を作るイメージです。
例えば、背景・人物・文字をそれぞれ別のレイヤーに分けておくと、後から文字の位置を動かしたり、背景だけを変更したりできます。
| 構成要素 | レイヤーの役割 |
|---|---|
| レイヤー1 | 背景（空や風景など） |
| レイヤー2 | 人物やオブジェクト |
| レイヤー3 | 文字やタイトル装飾 |
このように階層を分けておくことで、編集の自由度が大幅にアップします。
ミスをしても他の部分に影響しないのがレイヤーの大きな魅力です。
実際の操作手順と便利な使い方
レイヤーの操作は画面右側にある「レイヤー」パネルで行います。
表示されていない場合は、上部ツールバーの「レイヤー」アイコンをクリックして有効にしましょう。
| 操作 | 手順 |
|---|---|
| レイヤーを追加 | パネル下部の「＋」ボタンをクリック。 |
| レイヤーを選択 | 編集したいレイヤーをクリックで選択（青くハイライト）。 |
| 表示／非表示 | 目のアイコンをクリックすると、そのレイヤーだけ非表示に。 |
| 順序の変更 | ドラッグ＆ドロップで上下に入れ替え可能。 |
| 削除・結合 | 不要なレイヤーを右クリック→「削除」または「下のレイヤーと結合」。 |
この仕組みを使えば、背景を残したまま人物だけ動かす、といった柔軟な編集ができます。
特に画像合成や文字デザインに挑戦したい人には必須の機能です。
レイヤー機能でできること一覧
レイヤー機能を使いこなせば、ペイントの活用範囲がぐっと広がります。
| 用途 | できること |
|---|---|
| 写真編集 | 背景・人物・文字を分けて個別調整。 |
| イラスト制作 | 「下書き」「線画」「色塗り」をレイヤーで分離。 |
| 資料作成 | 表や矢印などを別レイヤーに置き、後で位置を微調整。 |
まるでプロ用ソフトのように、後から自由に修正できるのが最大のメリットです。
「ペイントでここまでできるの？」と思える進化を、ぜひ体験してみてください。
【新機能②】AIが一瞬で！背景の削除機能の使い方
Windows 11版ペイントのもう一つの目玉が「背景の削除」機能です。
これまで面倒だった「被写体の切り抜き作業」が、AIによってワンクリックで完了するようになりました。
人物やモノの背景をきれいに透過したいときに、とても重宝するツールです。
ワンクリックで背景を透過する手順
操作は驚くほど簡単です。以下の手順で誰でもすぐに試せます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | ペイントで背景を削除したい画像を開きます。 |
| ② | ツールバーにある「背景の削除」アイコンをクリック。 |
| ③ | AIが自動的に被写体を判別し、背景を透過処理します。 |
| ④ | 完了後、背景部分が市松模様（透明部分の表示）に変わります。 |
このたった3〜4ステップで、背景がきれいに消えた画像が完成します。
従来の手動切り抜きとは比べものにならない手軽さです。
被写体の切り抜きを自然に仕上げるコツ
AIによる背景削除はとても高精度ですが、より自然に仕上げたい場合にはいくつかコツがあります。
- なるべく背景と被写体の色がはっきり分かれている画像を使う。
- 削除後に「消しゴムツール」で細部を微調整する。
- 完成した画像をPNG形式で保存して、透過を維持する。
特にPNG形式の保存は重要です。JPEGで保存すると透明部分が白くなってしまいます。
切り抜き画像を使いたいなら、必ず「PNG」で保存と覚えておきましょう。
レイヤーとの組み合わせでできる応用テク
背景削除機能は、前章の「レイヤー」と組み合わせると真価を発揮します。
例えば、人物の写真を背景削除したあと、別のレイヤーに風景画像を配置すれば、合成写真が簡単に作れます。
| ステップ | 操作内容 |
|---|---|
| ① | 人物の写真を開き、「背景の削除」で透過処理。 |
| ② | 新しいレイヤーを追加して、背景にしたい画像を貼り付ける。 |
| ③ | 人物のレイヤーを上に配置して調整。 |
この方法を使えば、旅行先で撮った写真に自分を合成するといった面白い画像も簡単に作成できます。
これまで難しかった合成作業が、ペイントだけで完結するのは驚きですね。
【新機能③】「Cocreator」AI画像生成機能を使いこなす
最後に紹介するのが、Windows 11版ペイントに新しく加わった「Cocreator（コクリエーター）」という生成AI機能です。
これはテキストを入力するだけで、AIがイメージに合った画像を自動生成してくれるという、まさに「描かずに描ける」未来的なツールです。
ここでは、Cocreatorの仕組み・使い方・注意点を順番に見ていきましょう。
Cocreatorとは？仕組みと必要な条件
Cocreatorは、Microsoftが開発したAIアシスタントで、あなたの入力した言葉をもとに画像を生成してくれます。
「青空の下で寝ている猫」や「未来的な東京の夜景」と入力すると、AIがその内容を理解して複数の画像を提案してくれる仕組みです。
| 利用に必要な条件 | 内容 |
|---|---|
| Microsoftアカウント | サインインしている必要があります。 |
| クレジット制 | 画像生成ごとにクレジットを1枚消費します。 |
| ネット接続 | AI処理のためインターネット接続が必須です。 |
クレジットは初回付与され、時間経過で回復する仕様になっています。
無料でも試せる範囲が広いのがうれしいポイントです。
AIで画像を作る手順と使い方
実際の使い方はとてもシンプルです。
ペイントを起動して、画面右側の「Cocreator」アイコンをクリックすると専用パネルが開きます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | テキストボックスに生成したい画像の内容を入力（例：「水彩画風の夕焼け」）。 |
| ② | 「スタイルを選択」から、写真・油絵・ピクセルアートなどを選ぶ。 |
| ③ | 「作成」をクリックしてAIに生成を依頼。 |
| ④ | 数秒後、複数の候補画像が表示されるので、気に入ったものを選択。 |
選んだ画像はそのままペイントのキャンバスに挿入でき、他のレイヤーと組み合わせることも可能です。
AIが作った画像をもとに、自分なりのアレンジを加えるのもおすすめです。
AI画像を活用する時の注意点
便利なCocreatorですが、利用にあたってはいくつか注意しておきたいポイントがあります。
- 生成された画像の著作権は、Microsoftの利用規約に準じます。
- 商用利用を検討している場合は、規約を必ず確認しておきましょう。
- AIが生成する画像は完璧ではなく、不自然な部分が含まれることもあります。
生成した画像は必ず自分の目で確認し、必要に応じてレイヤー機能や描画ツールで修正するのがポイントです。
AIを「自動で描くツール」ではなく「アイデアを広げるアシスタント」として使うのが理想的です。
ペイント新機能の活用シーンを比較
ここまで紹介してきた新機能「レイヤー」「背景削除」「Cocreator」は、それぞれ得意な場面が異なります。
この章では、どんな用途にどの機能を使うと便利なのかを比較しながら紹介します。
写真編集・イラスト制作・資料作成に使える場面
ペイントの新機能をうまく使い分けることで、作業効率がぐっと上がります。
以下の表に、目的別のおすすめ機能をまとめました。
| やりたいこと | おすすめ機能 | 具体的な活用例 |
|---|---|---|
| 写真の合成・加工 | ①レイヤー機能＋②背景削除 | 友人の写真から背景を削除し、別の風景画像と合成して記念写真を作る。 |
| 資料用の挿絵作成 | ②背景削除＋③Cocreator | 商品画像を切り抜いて資料に貼る、またはAIに簡単なアイコンを生成させる。 |
| イラスト制作・修正 | ①レイヤー機能 | 「下書き」「線画」「色塗り」を分けて描くことで、後から修正が簡単。 |
| アイデア出し・デザイン構想 | ③Cocreator | 「未来の車」など漠然としたイメージをAIに描かせ、ヒントを得る。 |
用途に合わせて機能を組み合わせるのがコツです。
特にレイヤーと背景削除を併用すれば、無料とは思えないレベルの画像合成ができます。
他の画像編集ソフトとの違い
これまで画像編集といえば、PhotoshopやCanvaなどの有料ツールが主流でした。
しかし、Windows 11のペイントは基本無料でありながら、それらのソフトに近い編集体験が可能になっています。
| 比較項目 | Windows 11 ペイント | Photoshop / Canva |
|---|---|---|
| 価格 | 無料（標準アプリ） | 有料（月額制や課金モデル） |
| レイヤー機能 | あり（簡易操作） | あり（高度な制御） |
| AI画像生成 | あり（Cocreator） | あり（DALL-E, Magic Studioなど） |
| 対象ユーザー | 初心者〜中級者 | 中級者〜プロ向け |
もちろん、プロレベルの編集を求めるなら専門ソフトに軍配が上がります。
ですが、「無料でここまでできる」という意味では、ペイントは他の追随を許しません。
普段のちょっとした画像編集なら、もうこれ一つで十分です。
よくある質問（Q&A）
最後に、新しいWindows 11版ペイントに関して寄せられる質問をまとめました。
実際に使ってみると「ここどうなってるの？」と感じやすいポイントを中心に、わかりやすく回答していきます。
以前のペイントに戻せる？
残念ながら、Windows 11でアップデートされたペイントを公式に旧バージョンへ戻す方法はありません。
ただし、レイヤーやCocreatorなどの新機能パネルは非表示にできます。
上部ツールバーのアイコンをクリックしてオフにすれば、従来のシンプルな見た目に近づけることが可能です。
新機能を隠して使うことで、旧ペイントの感覚を再現できるというわけですね。
Cocreatorが表示されない時は？
「Cocreator」アイコンが出てこない場合は、いくつかの原因が考えられます。
- ペイントが古いバージョンのままである
- Microsoftアカウントでサインインしていない
- 地域設定の関係で機能がまだ有効化されていない
まずは「Microsoft Store」から最新バージョンへ更新してみましょう。
アップデート後にWindowsを再起動すると、Cocreatorパネルが表示されることがあります。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| アプリの更新 | Microsoft Store → ライブラリ → 更新を取得 |
| ログイン状態 | Microsoftアカウントにサインインしているか確認 |
| 地域設定 | 日本向け提供が遅れている場合あり（順次展開中） |
Cocreatorは段階的に展開されているため、すぐに表示されない場合も焦らず待ちましょう。
保存形式はどれを選ぶべき？
ペイントで画像を保存する際、形式の選び方を間違えると「せっかくの編集情報」が失われることがあります。
特にレイヤーや背景透過を使っている場合は、保存形式が非常に重要です。
| 目的 | おすすめ形式 | 理由 |
|---|---|---|
| レイヤーや透明部分を残したい | PNG（.png） | 透過情報を保持できる。 |
| 最終的に1枚の画像にしたい | JPEG（.jpg / .jpeg） | 容量が軽く、ウェブ掲載向き。 |
| 一時保存・途中段階 | PNG（.png） | 後で再編集できるように安全。 |
迷ったら「PNG」形式を選ぶのが鉄則です。
JPEGで保存すると背景が白く塗りつぶされ、レイヤー情報も失われるので注意しましょう。
まとめ｜無料でここまでできる！新しい「ペイント」を体験しよう
ここまで、Windows 11に搭載された新しいペイントの機能を詳しく見てきました。
昔ながらの「お絵かきソフト」から、AIを搭載した本格的な画像編集ツールへと進化した姿に、驚いた方も多いのではないでしょうか。
最後に、この記事の要点を整理しておきましょう。
| 機能 | できること |
|---|---|
| レイヤー機能 | 背景・人物・文字を分けて編集。後からの修正も簡単。 |
| 背景削除機能 | AIが自動で被写体を認識し、ワンクリックで背景を透過。 |
| Cocreator（生成AI） | テキストを入力するだけで、AIが画像を自動生成。 |
これらの機能によって、画像の切り抜きや合成、AI生成までがすべて無料のペイントで完結できるようになりました。
しかも難しい操作は必要なく、数クリックで結果が得られるのも大きな魅力です。
特に注目すべきは、レイヤーと背景削除の組み合わせによる編集の自由度です。
画像編集初心者でも、まるでプロのような仕上がりが実現できます。
もし今まだ古いペイントを使っているなら、Microsoft Storeで更新をチェックしてみてください。
最新バージョンを手に入れるだけで、あなたのパソコンがまるで「無料のPhotoshop」に早変わりします。
さあ、新しいペイントで、自分だけの作品をつくってみましょう。
